開催日時:2017年2月25日(土) 13:30〜16:00
開催場所:名古屋市教育センター講堂 参加人数:482人
「消費者市民」とは、自分のことだけでなく、地域の人々やこれから生まれてくる子どもたちのこと、さらには地球規模で社会や環境のことを考え、消費行動を通してより良い社会をつくるために進んで参画する消費者のことを指します。また、消費者市民が主役となって積極的に行動する社会を「消費者市民社会」と言います。
消費者市民社会という概念はまだ新しく、名古屋市が平成27年度に行った市政アンケートにおいて、消費者市民社会という言葉を聞いたことがある人は約2割にとどまりました。このため、消費者市民の考え方について広く発信する市民向けフォーラムを開催しました。
 基調講演 教育評論家・法政大学教授 尾木直樹さん
  テーマ : 尾木ママ流共感子育て 〜これからの消費者市民社会を考えて〜
 
子どもたちを取り巻く現代社会と親子の関係性
 インターネット、SNSの普及により、子どもたちも日常的にそれらに接して生活しています。近年問題になっているのは、そうしたネット上のいわゆる「閉じた世界」の中での子ども同士の関係、そして子どもたちが知らないうちに事件・事故に巻き込まれてしまうことです。
 ネットの中の出来事、特にSNS上のやり取りは、保護者をはじめほかの人が踏み込むことが難しい世界。そんな世界の中での人間関係こそを重視し、翻弄されている子どもが本当に多い。
 中には、自身に起こったトラブルを誰にも相談できず、悩んだ末に死を選ぶ、という結末を迎えてしまうケースも。 
  こうした痛ましい結果を招かないためにも、また子どもたち自身がトラブルに巻き込まれないためにも、重要なのは「親と子の信頼関係」です。
  しっかりした信頼関係が築けていれば、何か起こったときに子どもは必ず相談してくれます。そうすれば、親と子で一緒に問題を解決することができます。「消費者市民社会」という本日のテーマについても、まずはこの強い関係性があってこそだと思います。
幼い頃から子どもの人格を尊重し、ひとりの人間として向き合うことで、お互いの信頼関係を築いていくことが大切です。

子どもたちを取り巻く現代社会と親子の関係性
 では信頼関係の構築のためには何が重要か?それは「共感」です。
 例えばお子さんに「どうしたの?」というたったひと言をかけるにしても、問いつめるような厳しい口調ではなく、子どもが自分の気持ちをちゃんと伝えられるような、やさしいイントネーションで聞くこと。
 「どうしたの?」とやさしい調子で問いかけ、返ってくる子どもの言葉にまずはちゃんと共感してあげることです。「大変だったね」と共感し、相づちを打ってあげる。親に自分の気持ちを受け止めてもらえれば、子どもの心は元気になり、認められたことでさらなる力も生まれてきます。
これが「エンパワーメント」です。
 共感に基づく基本的な信頼関係が確立されている親子関係は、子どもたちが人生において出会うトラブルや事件・事故を乗り越えていく上で、大きな力になります。
これからの消費者市民社会の構築においても、大切なポイントだと考えます。

 パネルディスカッション みんなでつくろう消費者市民社会

      (50音順)
教育評論家・法政大学教授
尾木 直樹 さん 
至学館大学健康科学部栄養科学科教授
小塚 諭 さん 
公益社団法人 全国消費生活相談員協会中部支部支部長
清水 かほる さん 
ユニー株式会社 執行役員 業務サポート本部CSR部部長
百瀬 則子 さん 
椙山女学園大学 現代マネジメント学部教授
東 珠実 さん 

第2部では、消費者市民社会をつくるために私たちに何ができるのか、普段の買い物を通した消費者市民としての行動について考えるパネルディスカッションを行いました。

 ユニー株式会社 執行役員 業務サポート本部CSR部部長 百瀬 則子 さん
環境にやさしいお買い物は地球を救う
 スーパーなどセルフサービスの店で商品を販売することは、同時に容器包装などのゴミを発生させる、という一面も持ち合わせていて、家庭から出るゴミの50%にもなっているというデータがあります。
 ユニーでは、レジ袋など容器包装をできるだけ使わない販売への取り組みや、お客様が商品と一緒に持ち帰ったペットボトルや牛乳パックなどの容器包装を店頭回収し、文房具やトイレットペーパーにリサイクルする活動を地域の皆さんと一緒に推進しています。また、こうしたリサイクル商品を、最終的にお客様ご自身が購入することでリサイクルの環が完結します。皆さんの消費行動は、地球環境を守るうえで大切なことなのです。
「地環境球にやさしいお買い物」。日々のお買い物の中で、そういった点も考えていただければと思います。
   


 至学館大学健康科学部栄養科学科教授 小塚 諭 さん
食品選択の大切さを考えよう
 食生活は、単に生きるためのものではなく、健康維持や命に直結する大切なことです。
 例えば、お子さんのおやつなどは、食品に含まれる成分をよく見て与えることが大切。また、同じ食品でも格安のものとそうでないものにはどんな違いがあるのか、食品表示を見てその理由を理解し、適切な食品を選べるようになることが重要です。
 食品表示は、その商品の安全性や、商品の持つ情報を伝達するものです。表示をちゃんと見る、賢い消費者が増えることは、より良い商品の流通にもつながるものだと思います。
 さらに、年間642万トンにも及ぶ食品ロス削減のためには、消費期限や賞味期限について、正しく理解することも大切です。

商品やサービスを選ぶことは、それを提供する事業者を選ぶということです。
選挙にたとえると、大切な一票を投じることと同じことです。
努力する事業者の商品を支持し、問題のある商品を購入しないことにより、不正な事業者が 汰され、 社会全体の安全・安心につながります。私たちがよく考えてお金を使うことにより、
消費者市民社会が実現します。


 公益社団法人全国消費生活相談員協会中部支部支部長 清水かほる さん
消費生活相談は社会のセンサー
 消費生活センターとは、消費者基本法や消費者安全法に基づいて都道府県や市町村に設置された行政機関で、消費者からのトラブル相談のほか、事業者との交渉の支援・助言なども行っています。
 ご自身のトラブルをセンターに相談することで、被害の回復はもちろんのこと、第2の被害の防止や、悪質な事業者の淘汰、さらには法改正によって社会を動かすことにもつながっていきます。困ったときは一人で悩まず、まずは消費者ホットライン「188」番に電話、と覚えておいてください。
  また、皆さんが普段お買い物の中でお気づきになったことや要望は、事業者にしっかり伝えていくことが重要です。消費者からの意見が直接伝わることで、事業者も社会も変わっていきます。こうした面でも、消費生活センターを活用していただきたいと思います。


 教育評論家・法政大学教授 尾木 直樹 さん
親子で相談し合える関係づくりを
 環境に配慮した買い物の仕方や、食品表示、食品ロスの問題などは、普段から親子で買い物に行き、
話し合って、親子一緒に理解を深めていくようにできるといいですね。親子でそのような時間を持つことで、絆が深まり、共感や信頼関係を築くことにもなります。
 また、消費者として賢くなることは、子どもたちの将来の幸せにもつながって、まさに循環型の社会ができると思います。
 インターネットの普及によって、子どもたちがトラブルに巻き込まれることも増えていますが、大切なことはトラブルに巻き込まれてしまったときに、それを親にきちんと相談できる関係性が築けているかどうか。
 普段のコミュニケーション、親子関係こそがすべてのベースになると思います。

 椙山女学園大学現代マネジメント学部教授 東 珠実 さん
持続可能な未来に向けた「共感」がつくる消費者市民社会
 消費行動を通してより良い社会をつくるために進んで行動する消費者のことを「消費者市民」と呼び、この消費者市民がつくる公正で持続可能な社会のことを「消費者市民社会」といいます。
 名古屋市では、平成27年度に研究会を設置し、消費者市民社会形成のための活動を始めました。
子ども向けの参加型イベントを通して、フェアトレード商品やリユース商品に触れる機会を作ったり、啓発用のDVDを制作したり、飲食店での消費が寄付につながる委託事業などを展開してきました。
 今回のパネルディスカッションでは、地元のスーパーとともに進めるリサイクルへの取り組みや、地球環境にやさしい買い物のあり方、食品選択のための表示の見方や食品ロス削減のために知っておくべきことなど、消費者市民としての行動のヒントとなる情報をたくさん教えていただきました。
さらに、商品やサービスに対する苦情やトラブル、要望があるときは、消費生活センターや企業の相談窓口などに伝えることにより、自分だけでなく社会の問題の解決にも寄与できるということも学びました。
 人や環境や社会にやさしい消費者市民社会を形成するためには、持続可能な未来に向けて様々な立場の人や組織が「共感」し合うことが大切です。消費者市民として自分にできることを考え、実践していただきたいと思います。

開催報告のPDFはコチラ ⇒


お問い合わせ
株式会社CBCクリエイション内 消費者市民フォーラム担当
TEL.052-251-1181 FAX.052-252-0070
【メールアドレス】info@n-shouhishashimin.jp
※本事業の運営は名古屋市から株式会社CBCクリエイションに業務委託されています。

本事業の運営は名古屋市から株式会社CBCクリエイションに業務委託されています。
サイト運営・お問い合わせ個人情報保護方針
Copyright(c) City of Nagoya. All rights reserved.

ページの先頭へ